まるたや物語:あげ潮編

  • チーズケーキのまるたや洋菓子店です。
    創業60年、皆様に愛され続けているこの味をご賞味下さい。

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まるたや物語

まるたや洋菓子店の商品に込められた想いやまつわる出来事を物語として皆様にお届けしていきます。

「チーズフォンデュケーキ」苦悩編

チーズフォンデュケーキ

いつしか試作も止め、ただ日々の仕事に忙殺されていきました。
所々に入ってくる進捗具合のフォロー… 億劫でした。
次第に他のチーズケーキを考えるようになりました。
みじめで情けなかったです。大見えきっていろいろな方へアピールし期待させ、
その結果が全然違う商品になろうとは…
代替え商品の味が完成し、精神的に楽になった時
改めて開発を見直そうと思い立ちました。
新たに材料を探求し、メーカーさんとも再度細かく話し合い、
意見・情報交換を繰り返しました。

ケーキの形状を考えている時に当初、表面が伸びるイメージでしたが別のケーキを作っている時に中身が伸びたらどうだろうと考えました。
固定観念にとらわれず、自分が美味しいと思うケーキを作ればいいんだと思いました。
ナチュラルチーズがなければ、自分でチーズを作ってしまえばいい。世の中に無いのなら、ぜひとも自分が作ってやろう。

自分でチーズを作ってしまえばいい

ただ、意見交換をするうちに、徐々に情報が広がり、秘密裏に製造ができなくなる恐れもありました。冷めても伸びるチーズ。大手が放っておくわけがありません。時間との勝負でした。
専門店のこだわり、素材の吟味、形、味、出来栄え。
全てにおいてようやく形になり始めたのが最終プレゼンの1ヶ月前でした。
このままでは間に合いません。毎日3〜4回試作をしては失敗の繰り返し。
食感 味 がどうしても納得できません。
職場のみんなに試食してもらってもみんな口をつぐんでしまいます。
おいしくないとはっきりとは言わなくても 顔を見ればわかります。

小さなお子様や、お年を召した方が喉を詰まらせても危ないので、ある程度の所で、切れるように

そこで、まず味と質感を調えようと思いました。全体のバランス、塩味と甘味のバランス 
組み合わせるパーツの量、1g単位での微調整。ようやく味は完成しました。でもまだ納得はできません。
全体のバランスが悪く試食者からの意見は無くただ押し黙っているだけです。
またチーズが伸びすぎてもいけません。小さなお子様や、お年を召した方が喉を詰まらせても危ないので、ある程度の所で、切れるようにもしました。
あとは何が足りないんだろう?フォンデュのようにとろーりと伸びる食感があれば
さくさくした食感も欲しいのでは無いか?

味が調ってきたので次は食感です

味が調ってきたので、次は食感です。
しっとりした物や、さくさくした物。ざくざくや、ガリガリ。どうしてもうまくあいません。
そんな中 たまたま見つけたパリサク食感。答えは身近な所にありました。
自分の中でもこれが最後と言う気持ちで最終試作に向かいました。
焼成中の匂いは最高でした。高まる期待と興奮。
よく冷えるのを待ち、いざ試食です。
職場のみんなに声掛けをし、半ば「またか…」という顔ばかりの中、試食が始まりました。
食べ始めた瞬間、みんな笑顔になり、明るい雰囲気。
そして なんとみんな試食のおかわりをしてくれたのです。
これこそが一番の答えでした。周りを笑顔に変え すんなりと次の手が伸びる。
まさに理想のケーキが誕生したのは、最終プレゼンのなんと一時間前でした。
心の中でのガッツポーズを決め、自分の興奮を抑えつつ、みんなに説明していきました。
その間もおかわりの手は伸び、笑顔がずっと続きました。

チーズフォンデュケーキ

次回、いよいよパッケージ編。チーズフォンデュケーキの開発秘話の最終章です。